【ブリ御三家まとめ】ブリ・ヒラマサ・カンパチの違いと見分け方を紹介!

皆さんは、見た目も切り身も似ている「ブリ・ヒラマサ・カンパチ」の違いが分かりますか?

この3種類は同じグループ(ブリ御三家)として一括りにされることが多く、見比べたり食べ比べたりしないとなかなか違いが分かりません。

ということで今回は、この3種類の魚「ブリ・ヒラマサ・カンパチ」の違いを、見分け方・旬・味・値段といった観点から解説していきます!

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目次

ブリ御三家とは

本題に入る前に、ブリ御三家について簡単に説明します。

ブリ御三家とは、「ブリ・ヒラマサ・カンパチ」をまとめて呼ぶ時の総称です。見た目・味・釣りの際の引きの強さなどが似ているということで、この呼び名が付けられています。

ちなみに「ブリ御三家」以外にも、以下のような呼び方をされることがあります。

ブリ御三家以外の呼び方
  • 青魚御三家
  • 青物御三家
  • 青物三兄弟

『御三家』とは、ある特定の分野において有力な3つの存在に対して使用される言葉です。最近は高校受験の時に使われることが多いようです。

ブリ御三家の場合、元々の「御三家」の意味とは少し使い方が違うかもしれないですね。

ブリ御三家の違い【見分け方】

それでは本題に入りましょう。まずはそれぞれの見た目について解説します。それぞれの見分け方をまとめるとこんな感じです。

ブリ御三家の見分け方
  •  ブリ :黄色いラインと胸ヒレが離れている、全体的に丸みを帯びている
  • ヒラマサ:黄色いラインと胸ビレが重なっている、全体的に平たい
  • カンパチ:全体的に黄色い体、口→目→背ビレにかけて黒いラインがある

この違いを押さえておけば、ブリ御三家を見分けるのも難しくありません!他にも「ブリは口の横の角が尖っていますが、ヒラマサとカンパチは丸い」など細かい違いもあります。

もう少し簡単に見分けるために、ここからは写真も交えて見ていきましょう!

ブリの見分け方

ブリ御三家の中でも知名度の高いブリは、3種類を見分ける上で基準となる存在です。

見分けるポイントは大まかに2つ。

・体にある黄色いライン
・全体的に丸みを帯びたフォルム

1つ目の見分けるポイントは体を2つに分ける黄色いラインです。

ブリは青魚の中でも大型で、体の上側と下側が青と白ではっきり分かれており、その境界線に黄色いラインがあるのが特徴です。

また、このラインが少し胸ビレから離れているのも特徴で、これは「ヒラマサ」と見分ける時に重要になるので覚えておきましょう!

見分けるポイントの2つ目は、全体的に丸みを帯びたフォルムです。

ブリ御三家の中でも、特にブリは丸いフォルムをしているのが特徴なので、こちらも見分けるポイントになります。

ヒラマサの見分け方

出典:Wikipedia

続いてはヒラマサの見分け方です。非常にブリに似ているので、ブリとの違いに焦点を当てて説明していきます。

こちらも見分けるポイントは大まかに2つ。

・体にある黄色いラインが胸ビレにくっついている
・全体的に平べったいフォルム

1つ目のポイントは、黄色いラインが、胸ビレにくっついていることです。

ブリと同様に、ヒラマサの体にも黄色いラインがあります。ただし、ブリと違ってその黄色いラインが胸ビレにくっついています。ブリの黄色いラインは胸ビレからは離れているので、まずはここを確認しましょう!

2つ目のポイントは、ブリと比べて全体的に平べったい体をしている点です。

名前の通りヒラマサの方がブリよりも平べったい形をしているので、ブリと迷った時は体の形にも着目してみてください。

カンパチの見分け方

出典:Wikipedia

最後にカンパチの見分け方ですが、カンパチを見分けるのが一番簡単です。

押さえておくポイントは大まかに2つ。

・体全体が黄色い
・頭から背ビレにかけて「八の字」の黒いライン

1つ目のポイントは、体全体が黄色い色をしていることです。カンパチは体全体が茶色がかかった黄色をしているので、そこで見分けることができます。

2つ目のポイントは、口→目→背ビレにかけて黒いラインがあることです。上から見ると、カンパチの名前の由来にもなった「八の字」をした黒いラインがあるので、これで見分けることができます!

この2点を抑えれば、ブリ・ヒラマサとの区別はさほど難しくありせん。

ブリ御三家は「旬の時期」が違う

続いては、旬の時期の違いについてです。

ブリの旬は知っている人も多いと思いますが、それぞれ時期が違うので覚えるのも簡単だと思います。

ブリ御三家の旬の時期
  •  ブリ :冬(11月~2月)
  • ヒラマサ:初夏~夏(5月下旬~9月上旬)
  • カンパチ:夏~秋(6月~10月頃) or ブリとヒラマサの間

ただし、天然でも産地によって旬が変わります。また、養殖の場合は1年を通して美味しく食べられます。

次に、それぞれの旬の違いについてもう少し解説します。

ブリの旬

ブリの旬は12月~2月頃の寒い冬の時期です。冬は鍋、ということでブリしゃぶとして食べられることも多いですね。

ブリは広い範囲を泳ぎ回る「回遊魚」です。春から秋にかけてエサを求めて北上し、冬の時期が近くなると南下を始めます。

そのため、冬に南下を始める頃にはエサをたくさん食べて、豊富な脂を身に付けた状態となっています。

そのため、ブリは冬が旬とされることが多いです。

ヒラマサの旬

ヒラマサの旬は初夏~夏にあたる5月下旬~9月上旬頃とされています。

この時期にヒラマサの漁獲量が増えるため、同時期が旬と言われていますが、産卵期前にあたる冬が旬とされることもあります。

卵に栄養を送るために体に栄養を蓄えている「産卵期前」はどの魚も非常に美味しい時期です!

カンパチの旬

カンパチは年間を通して漁獲される魚で、季節による味の変化はほとんどないとされています。

ですが、夏から秋にかけてカンパチの漁獲量が増えることから、旬は6月~10月頃とされています。

また、ブリ(冬が旬)とヒラマサの間(夏が旬)の時期が、カンパチの旬と言われることもあります。

ブリ御三家は味が違う

続いては味の違いについて見ていきます。

脂が豊富なブリに対して、ヒラマサとカンパチは比較的あっさりとしているのが特徴です。

ブリ御三家の味の違い
  •  ブリ :脂が豊富、口に入れたら溶けるような食感
  • ヒラマサ:あっさり、コリコリした食感
  • カンパチ:あっさり、コリコリした食感、ヒラマサよりも淡泊

それぞれの味の違いについて、もう少し解説していきます。

ブリの味

ブリの味の特徴は「豊富な脂」にあります。

特にたっぷり栄養を蓄えた冬のブリは、口に入れた瞬間に溶けていくような脂のノリです。

ブリ御三家の中でも、突出しているので、食べ比べてみるとすぐに分かるはずです。

ヒラマサの味

ヒラマサの味は、ブリと比べると脂が少なくあっさりとしています。

また、歯ごたえがありコリコリとした食感を楽しめるのも特徴の一つです。

見た目はブリと瓜二つのカンパチですが、食べ比べてみるとまったく別の魚だと分かるはずです。

カンパチの味

カンパチも比較的あっさりしており、食感もコリコリしているので、味はヒラマサと似ています。

ヒラマサとよりもカンパチの方が少し淡泊と言われますが、そこまで大きな違いはありません。

個体によって変わる部分もあるので、味だけで見分けるのは結構難しいかもしれません!

ブリ御三家は「値段」が違う

最後に、それぞれの値段・価格帯の違いについて解説しますが、値段は時期や産地・しめ方などによって大きく変動します。

一般的に魚は旬の時期になると人気が高まり値段も上がります。また、ブリを代表する「氷見ぶり」やカンパチを代表する「海の桜勘」など、ブランドによって通常の何倍も値が付くことも少なくありませんし、しめ方によっても値段が変わります。

以上を踏まえた上で、ざっくりと価格を高い順に並べるとこの通りです。

ヒラマサ > カンパチ > ブリ

つまり、一般的にブリ御三家の中では「ヒラマサ」が最も高級な魚ということですが、これは市場に出回る量、つまり流通量の違いによるものです。

需要がある程度ある魚の場合、市場への流通量が多ければ安く、少なければ高くなるのが一般的です。

深海魚など需要のあまりない魚は、安値で投げ売りされることも多いです。

ブリは養殖魚としても人気で、流通量が多いため、平均の価格帯が安くなっています。

一方ヒラマサは養殖が少なく、天然での漁獲量もブリに劣るため、市場に流通する量はかなり少ないです。美味しい魚として需要もあるので、高い値段で取引されることが多いです。

そのため、住んでいる地域にもよりますが、スーパーでよく見かけるのはブリがかなり多いのではないでしょうか?

市場への流通量がブリとヒラマサの間ぐらいのカンパチは、一般的にブリとヒラマサの間ぐらいの価格になることが多いです。

とはいえ、今後の環境変化や技術の発達でこの順番が変わる可能性は大いにあります!

ブリ御三家には共通点もある?

ここまでブリ・ヒラマサ・カンパチの違いを紹介してきましたが、ブリ御三家には共通点もあります。

それは、3種類ともスズキ目アジ科ブリ属に該当することです。

ブリ御三家としてまとめられるほど見た目が似ているのは、彼らがほぼ同じグループに分類されているからです。

また、3種類とも背中が青く、サバやイワシと同様に「青魚」としても知られています。

まとめ:ブリ御三家の違いを覚えよう

今回は、ブリ御三家「ブリ・ヒラマサ・カンパチ」の違いを紹介してきました。

まとめるとこんな感じになります。

見分け方旬の時期味の違い値段の違い
ブリ黄色い線が離れている冬(11〜2月)脂が多い最も安い
ヒラマサ黄色い線がヒレについている夏(5月下旬〜9月上旬)あっさり最も高い
カンパチ頭に八の字の黒い線がある夏〜秋(6月〜10月頃)あっさり2種の間

このように違いのある3種類ですが、3種類ともスズキ目アジ科ブリ属に該当するなど、共通点も存在しています!

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この記事を書いた人

水族館や深海魚・水産に関わることなどが大好きです。
大学院で深海魚に関する研究をしていましたが、2020年に社会人になり
働きながらブログをちょこちょこと書いています。

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