今回は魚に関する面白い雑学や豆知識を、全部で50個まとめてみました。有名なものもありますが、聞いたことがなかったという知識もあると思います。
ここにあるもの全てを覚えれば、あなたも魚博士になれます!(全部知ってたらもう魚博士かも…)なかなか実生活で披露する場はないかもしれませんが、知的好奇心を満たしてください…
▼コチラでは、水族館の雑学もまとめています
魚はなぜ「さかな」と呼ぶ?
元々、「魚」は「うお」と呼ばれていました。今でもこの読み方をすることはありますよね。これが「さかな」と呼ばれるようになったのは、お酒のつまみを意味する「酒菜(さかな)」が始まりです。今では「肴(さかな)」という漢字を使いますね。
お酒を飲む際のおかずを元々「酒菜(さかな)」と呼んでいましたが、江戸時代頃から酒の席でのごちそうとして、刺身や焼き魚など「魚類」が好まれるようになり、いつしか「酒菜=肴=魚(さかな)」となっていきました。
世界最大の魚とは?
世界最大の魚は、水族館での人気者である「ジンベエザメ」です。ジンベエザメは、その体の大きさからクジラと間違われることもある、大きな魚です。
最大体長は12mを超えるほどで、世界最大のサメであるだけでなく、「世界最大の魚」そして「哺乳類以外の脊椎動物の中でも最も大きい生物」としても知られています。
世界最小の魚とは?
世界で最も小さいは、「ヒカリオニアンコウの一種(Photocorynus spiniceps)」です。英名も和名も無いこの魚のオスは、最小体長がわずか6.2mmほどしかありません!
メスの体長は50mmほどになりますが、それもかなり小さいですね…。最小の魚はランキングが定期的に変わることもあるので、今後さらに小さい魚が発見されるかもしれません。
世界一長生きの魚とは?
世界一長生きの魚は「ニシオンデンザメ」とされています。人間より遥かに寿命が長いため、実際の寿命を明らかにすることはかなり難しいですが、寿命は400年を超えるのではないかと言われています。
サメは軟骨魚類のため、一般的な寿命を測定する器官(耳石)を持っていません。そのため、従来は寿命の測定が難しかったのですが、コペンハーゲン大学のチームは目の水晶体から寿命を推定しました。
その結果、8匹の個体の平均年齢は272歳、5mを超える大きな個体の年齢は392歳であることが分かりました。
これまではホッキョククジラの211歳が脊椎動物で最高齢でしたが、大きく上回る結果となっています。
世界一泳ぐのが速い魚とは?
世界一泳ぐのが速い魚は凶暴なサメとして知られている「ホホジロザメ」です。
その平均時速は約8km/h程度とされています。陸上で考えると少し早歩きする程度の速さですが、抵抗のある水の中では非常に速いと言えます。
海の生き物全体に範囲を広げても、エンペラーペンギン・シロナガスクジラと並んで海の頂点に君臨するスピードスターと言えます。
世界一泳ぐのが遅い魚とは?
逆に世界一泳ぐのが遅い魚は「ニシオンデンザメ」です。世界一寿命が長い魚とされている「ニシオンデンザメ」は非常にゆっくりとした速度で泳ぐことが知られています。
ニシオンデンザメの平均遊泳速度は約1km/hで、最速のホホジロザメが8km/hということを考えると、思ったほど遅くないなと思う人もいるかもしれません。
ただ、ニシオンデンザメは大型のものだと体長6mを超える巨大なサメです。その体の大きさを考慮すると、非常に泳ぐのが遅い魚と言えます。
世界一醜い生き物は魚?
2013年にイギリスの団体が公表した「世界一醜い生物ランキング」にて、「ニュウドウカジカ(Blob fish)」という魚が堂々の第1位に選ばれました。
ニュウドウカジカは日本にも生息している深海魚で、海の中にいるときはそこまで不細工ではありません。しかし、海から地上に揚げると、重力の影響で顔がたるんでしまい、「確かに醜いかも…」と思ってしまうような見た目になります。
不名誉な称号ではありますが、このランキングのおかげで、今では意外と人気者になっています。
世界一深い場所にいる魚は?
世界一深い場所にいる魚は「シンカイクサウオの一種(Mariana snailfish)」です。日本語だとマリアナスネイルフィッシュと呼ばれるこの魚の体は、かなりブヨブヨとしており柔らかいです。
これは深海の超高圧に耐えるためです。プルプルのゼラチンのようなもので、水分がかなり多いと考えられています。
マリアナスネイルフィッシュが2023年4月に発見されたのはなんと「水深 8,336m」、日本の研究チームが発見し当時は話題になりました。
海と川を移動する魚は普通じゃない?
海と川を移動する魚として「サケ」が有名です。他にもウナギなど、いくつかの魚も海と川を移動することが知られています。
しかし、海と川つまり「海水」と「淡水」を移動することは普通ではありません!それは海と川では塩分濃度が異なるため、その環境には別々の適応方法が必要だからです。
詳しくは下記記事で解説していますが、ここから「サケ」は意外と珍しい魚であることが分かりますね。
川で生きられるサメがいる?
先ほど、海と川を移動する魚は普通じゃない、と話しました。これはサメも例に漏れず、一般的にサメが淡水域である川に移動することはありません。
しかし、実は川で生きられるサメもいます!それはオーストラリアや東南アジアに生息するGlyphis属の数種と、日本にも生息している大型のサメ「オオメジロザメ」です。
その理由はまだはっきりとは分かっていませんが、食べ物の独占や安全性の高さが理由にあると推測されます。
ネコは魚好きじゃない?
「ネコは魚が好き」というのは、日本人の中では一般的な知識だと思います。サザエさんの歌詞の中でも、ネコがお魚を加えていましたよね。
しかし、この知識が通じるのは実は日本だけです。「ネコ=魚好き」というイメージが定着した理由は諸説ありますが、日本の土地柄が影響しているとされています。
江戸時代に徳川綱吉による「生類憐みの令」の影響で、国内のネコが爆発的に増加しました。当時の日本では魚食が主流だったので、ネコは余りものの魚を食べる機会が多かったようです。今でも漁港などで捨てられた魚を頬張る姿が見られますよね。
こういったことが理由で「ネコ=魚好き」というイメージが生まれたようです。ネコは基本的に肉食=肉好きというのが世界での一般的な認識です。
海水に住む魚が塩辛くない理由は?
海水といえば塩辛い、これは誰もが知っている知識だと思います。しかし、そんな塩辛い場所に住んでいる魚ですが、その身は全然塩辛くありません。
これはなぜなのでしょうか?その理由は海水魚が塩分を体に溜め込みすぎないように調節しているからです。
海水魚はエラと腎臓を使って、体に入ってきた塩分を体外に排出しています。また、細胞膜が海水を体内に入れないように守っています。
海にいる魚も塩分を摂取しすぎると、塩分過多で死んでしまうため、このような仕組みを持っています。
ヒラメとカレイの見分け方とは?
ヒラメとカレイは「目の向き」と「口の形」で見分けることが出来ます。
目の向きで見分ける場合はヒラメが左向き・カレイが右向きで判断します。「左ヒラメに右カレイ」という言葉は耳にしたことがある人も多いと思います。
また、口の形で見分ける際は、ヒラメは大きい口と鋭利な歯・カレイは小さいおちょぼ口と覚えましょう。比べてみると、ヒラメの方が怖い顔をしているのがわかると思います。
実際は左向きのカレイがいるなど、目の向きには例外があるので、口の形で見分けるのが確実かもしれません。
サメとエイは同じ仲間?
見た目が大きく異なるサメとエイですが、彼らは同じ「軟骨魚類」に分類されます。
一般的な魚は硬い骨を持つ「硬骨魚類」であり分類としては大きく異なっていると言えるので、サメとエイはかなり近い種類と言えます。その証拠に?サメとエイが混ざったような見た目をしたサメやエイもいます。
また、軟骨魚類には「サメ類」と「エイ類」のほかに「ギンザメ類」が含まれます。
サケとシャケの違いとは?
実は「サケ」と「シャケ」に大きな違いはありません!そのため、どちらの呼び方を使っても問題ありません。
異なる呼び方が生まれた理由として、「江戸時代の人が”さしすせそ”の発音が苦手だったから」「生をサケ、加工したものをシャケというようになった」などなどありますが、定説もありません。
辞書の読み仮名には「サケ」と載っていますが、鮭は「シャケ」と読む人の方が多いというデータもあります。確かにおにぎりなどは「シャケおにぎり」の方が言いやすいような気もします。
ただどちらも間違いではないので、好きな読み方を使いましょう!
シラスとちりめんじゃこの違いとは?
スーパーで買い物をしていると、同じようなエリアに、「シラス」と「ちりめんじゃこ」が売られていることがあります。
見た目はほとんど変わりませんが何が違うのでしょうか?それは「加工段階」と「水分量の差」です。また、シラスは「生シラス」「釜揚げシラス」「シラス干し」の3種類に分けられています。
それぞれまとめると以下のようになります。
- 生シラス:水揚げされた状態のまま
- 釜揚げシラス:「生シラス」を塩茹でしたもの
- シラス干:「釜揚げしらす」を乾燥させ、水分量約60~70%のもの
- ちりめんじゃこと:「釜揚げしらす」乾燥させ、水分量約30%~50%のもの
いくら、すじこ、たらこ etc. は何の卵?
寿司ネタや海鮮丼など、非常に美味しい魚卵ですが、名前からだと何の魚の卵か分からないものも多いと思います。
なので、魚卵の名前とそれを産む魚をまとめてみました!
魚卵 | 魚の名前 |
---|---|
いくら | サケ |
黄金いくら | ヤマメ |
すじこ | サケ(卵巣膜付き) |
ますこ | マス |
たらこ | スケトウダラ |
明太子 | スケトウダラ(辛子漬け) |
数の子 | ニシン |
とびこ | トビウオ |
カラスミ | ボラ |
キャビア | チョウザメ |
ボッタルガ | ボラ・マグロ |
ぶりこ | ハタハタ |
いつ食べても思い出せるよう、ぜひ覚えておいてください!
イカ墨料理があって、タコ墨料理がない理由は?
イカ墨料理は一般的ですが、タコ墨料理があまりない理由はいくつかあります。
- タコは輸入品が多く、内臓は事前に除去されていることが多い
- 墨袋が小さく、水揚げのときにはほとんど墨が残っていない
- タコの墨袋は、イカと比べて奥まったところに位置していて取りにくい
旨味の多いイカ墨ですが、タコ墨もイカ墨を上回るほどの旨みを持っていることが知られています。そのため、実際に食べてみると結構美味しい可能性が高いです!
川魚は生で食べてはいけない?
アユのやサケの仲間(ヤマメやイワナ)など、川魚って結構美味しい種類も多いですよね。ただ、川魚の調理方法は「塩焼き」がほとんどで、生で食べることは少ないと思います。
これは、ほとんどの川魚の体内に寄生虫がいるためです。種類にもよりますが、人間が生で食べると、寄生されて失明することもあると言われています。
海の魚にも寄生虫がいる場合はありますが、川の寄生虫は海のものよりも危険性が高いものが多いです。絶対に川魚を生で食べるのはやめておきましょう!
養殖したフグには毒がない?
フグには毒がある、というのは一般的に知られていると思います。しかし、養殖で育てたフグには毒がありません。
フグの毒として有名な「テトロドトキシン」は、フグが体内で作り出しているものではなく、エサである藻類や貝類を通してフグの中に蓄積されていきます。
そのため、テトロドトキシンを持たないエサを食べている養殖のフグには、毒がありません。川魚の寄生虫然り、洋食にはいろいろなメリットがありますね!
白身魚のフライって何の魚?
よく食堂などで販売されている「白身魚のフライ」、タンパクな身を持つ白身魚を揚げる事で、ジューシーな味わいとなっています。学食などで販売されていることが多いかもしれません。
しかしこの「白身魚」とは一体何の魚なのでしょうか?一般的に使用されるのはタラコの生みの親である「スケトウダラ」ですが、他にも下記のような魚が使われています。
- ホキ
- メルルーサ
- スズキ
- オヒョウ
- アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)
- ナイルパーチ など
資源量の変化によって変わることもあるので、これから新しい魚が追加されるかもしれません。
美味しいけど食べてはいけない魚とは?
魚の中には、めちゃくちゃ美味しいのに食べてはいけない、とされている魚がいます。それが下記の2種類です。
- バラムツ
- アブラソコムツ
この2種類は、大トロのような身を持っていて美味しいですが、市場流通が禁止されています。
なぜ食べてはいけないかというと、人が消化できないワックスエステルという脂を体に蓄えているからです。食べすぎるとワックスエステルが消化されずにそのまま出て来るので、食べ過ぎた翌日はオムツを履いて過ごさないといけません…。
僕も食べたことがありますが、2切れだったので大丈夫でした。もし食べる場合は自己責任かつ少量で!
性転換できる魚がいる?
魚の中には性転換、つまり性別を変えられる種類が結構います。パターンは全部で3種類です。
- オスからメスに性転換
- メスからオスに性転換
- メスからオス、オスからメスどちらでも
1のパターンで有名なのは、「ホンソメワケベラ」というお掃除をしてくれる魚です。彼らは一夫多妻制で、グループからオスがいなくなると、いちばん大きいメスがオスに性転換します。
2のパターンで有名なのは、ディズニー映画にも登場する「カクレクマノミ」です。彼らはグループの中で一番大きい個体がメスになり、残りの個体は全部オスです。メスが死ぬと、次に最も大きい個体がオスからメスになっていきます。
3のパターンでは、サンゴ礁に生息する「ダルマハゼ」やカリブ海などに棲む「チョークバス」などが知られています。
肺呼吸する魚がいる?
魚の呼吸方法といえば、一般的にはエラ呼吸です。ほとんどの魚がエラを使って水中から酸素を取り込み、生活しています。
しかし、魚の中には肺呼吸出来る魚「ハイギョ」がいます。漢字で書くと「肺魚」なので、ここからも彼らが肺呼吸することが分かります。
現存するハイギョには、「オーストラリアハイギョ」「ミナミアフリカハイギョ」「アフリカハイギョ」の3種類が存在しますが、彼らは約4億年前に生まれたと言われています。
ハイギョはエラ呼吸もできますが、肺呼吸への依存度が高いため、定期的に水面に顔を出して息を吸わないと溺れてしまいます。水族館でもよく展示されており、普段あまり動きませんが、呼吸のために動き始める姿が観られます。
陸に上がって産卵する魚がいる?
「トビハゼ」や「ムツゴロウ」そして先ほど紹介した「ハイギョ」など、水の外に出て生活できるものもいますが、一般的に魚は水の中で生活します。水の中で卵から孵化し、その後も水の中で暮らすのが普通です。
しかし、卵を産むためにわざわざ陸に上がってくる魚がいます。その魚は「グルニオン」という名前で、主にアメリカのカリフォルニア州海岸に生息しています。
彼らは産卵期を迎えるといっせいに陸に上がり、砂浜に卵を産みつけていきます。卵は産卵後の大潮で波にさらわれて孵化していきます。
魚はヒレで味を感じる?
ホウボウの仲間は、クモの足のようにも見える胸ビレで味を感じることができます。
ホウボウは非常に美味しい魚で、水族館でも飼育されている姿をよく見かけます。彼らは足のような胸ビレに味を感じる器官である味蕾(みらい)を持っており、これを使って歩きながらエサを探します。
ほかにも「オジサン」という魚はヒゲのような部分で、ナマズの仲間は体の表面で味を感じているとされています。また、「ヒガンフグ」は唇に味蕾を持っています。
深海魚が深海で生きられる理由は?
深海魚・深海生物は、さまざまな方法で深海の高圧な環境に適応してきました。彼らが深海でも生きていける理由は、大きく分けて6つほどあります。
- 浮き袋を持たない
- 体に脂質を蓄える
- 筋肉のほとんどを水分に
- 硬い殻を持つ
- タンパク質の配列を変化
- 圧力に対応した物質を持つ
それぞれの生存戦略がとても面白いので、詳しくは下記記事を読んでみてください!
「ワニ」 という名前のサメがいる
生き物の名前は非常に面白く、何でそんな名前なの?という種類が結構います。
サメなのに名前に「ワニ」とついている種類もいます。漢字で書くと「鰐(ワニ)」なので、爬虫類のワニと完全に一致します。このサメの名前は「シロワニ」ということで、何も知らずに名前だけ聞くと白いワニなんだと勘違いしてしまいますね。
この「ワニ」は主に山陰地方で使われる地方名で、そこまで一般的な呼び方ではありませんが、古事記や風土記にも「ワニ(和爾)」として記載があります。
サメは生き物の電気を感じ取る?
サメの頭部には小さい穴が開いており、ここにはゼリー状の物質が詰まっています。これは「ロレンチーニ器官(ロレンチーニ瓶)」と呼ばれる器官で、これによってサメは微弱な電流を感じ取ることが出来ます。
獲物の筋肉が発する電流も感知出来るので、周辺で動き回っている獲物を探すのに役立っています。
非常に敏感な器官なので、海に乾電池を投げ入れると驚いて逃げてしまうこともあります。
マグロやカツオは泳ぎ続けないと死ぬ?
「マグロ」や「カツオ」などの回遊魚は、泳ぎ続けないと死んでしまうことが知られています。また、「ホホジロザメ」など、サメの一部も同じように泳ぎ続けないと死んでしまいます。
これは、泳ぎ続けないとエラ穴に海水を通し、そこから酸素を取り入れることが出来ないためです。
このような呼吸方法は「ラム換水」と呼ばれており、普段からあまり泳がない魚は別の呼吸方法で生活しています。
ウナギには毒がある?
ウナギといえば「蒲焼」や「ひつまぶし」「白焼」などとして食べることがほとんです。どのお店に行ってもウナギの刺身がおいてあることはほとんどありません。
これはなぜなのか?実はウナギの血液には「イクシオトキシン」と呼ばれる毒が含まれています。これは、加熱処理しない限り完全に取り除くことがかなり難しいからです。
職人さんが適切に毒を除去すれば刺身で食べることも可能ですが、手間が掛かりますし、嘔吐・下痢・口内の痺れなどリスクもあるため、ほとんどの飲食店では提供していません。
クマノミがイソギンチャクの中に住める理由とは?
クマノミがイソギンチャクの中に住んでいることを知っている人は、多いと思います。しかし、イソギンチャクには毒があるので、一般的な魚はイソギンチャクに住むことはできません。
にもかかわらず、なぜクマノミがイソギンチャクの中に住めるのか、その理由はクマノミの体から分泌される粘液にあります。
イソギンチャクは「海水よりもマグネシウム濃度が低いもの」に対して毒を発射します。しかしクマノミの体からは、海水よりもマグネシウム濃度が高い特殊な粘液が分泌されています。
そのため、クマノミはイソギンチャクの中で生活していても毒を発射されずに済んでいます。
チョウチンアンコウが光る仕組みとは?
チョウチンアンコウの提灯は、背ビレの一部が変化したもので「イリシウム(誘引突起)」と呼ばれています。そしてその先端には「エスカ(擬餌状体)」と呼ばれる膨らみがついています。
実はチョウチンアンコウのエスカは、エスカに住んでいる発光バクテリアによって発光しています。
エスカはバクテリアの培養室の役割を果たしており、発光バクテリアが共生しています。培養室の上部は半透明で開口部があるため、ここから発光物質を噴出させることができます。
また、チョウチンアンコウのエスカから出ている糸状の器官は光ファイバーに似た構造をしており、透明な組織を中心として、発光バクテリアの光を先端の発光器に届けています。
ハリセンボンの針は1000本も無い?
ハリセンボンは漢字で書くと、皆さんの想像通り「針千本」と表されます。しかし、ハリセンボンの針の数は大体「350本~400本」程度しかありません。
3匹集まってやっと針の数が1,000本を超える程度という事です。つまり、ハリセンボンという名前は嘘ということになります…。
名前をつける際、針の本数をしっかり数えたわけではないということですね。
ハリセンボンはどうやって膨らむ?
ハリセンボンの針は、常に出ているわけではありません。外敵から身を守る時に、体を膨らませて体から針を出します。
この体を膨らませる仕組みは「海水を飲み込んで体を膨らませ、その際に針の根本が引っ張られて起き上がる」という流れです。
体が膨らむことで外敵を驚かせることができますし、針が付いていることで食べるのを諦めさせることもできます。
釣り上げられた時は、水の代わりに空気を吸い込んで体を膨らませています。
チョウザメはサメじゃ無い?
サメと勘違いされることの多い「チョウザメ」は、実はサメとは全く関係のない生き物です。これは骨の違いに着目すると一目瞭然です。
チョウザメの骨は、私たちが普段食べる魚と同じように非常に硬いです。そのため、分類としては「硬骨魚類(こうこつぎょるい)」に当てはまります。
一方でサメの仲間の骨は比較的軟らかく、サメは「軟骨魚類(なんこつぎょるい)」に当てはまります。
これがどういうことかと言うと、「チョウザメ」と「サメ」はかなり大きな分類の時点で別のグループに属している、ということです!
コバンザメもサメじゃ無い?
「チョウザメ」と同じく「コバンザメ」もサメとは全く関係のない生き物です。理由は「チョウザメ」のところで説明したものと同じです。
サメ類は軟骨魚類ですが、「コバンザメ」は硬骨魚類なので、グループとしてはかなり遠いです。
コバンザメは「スズキ目」のコバンザメ科に属しているので、サメとは全く近縁ではありません。無関係と言ってもいいぐらい別種です。
イワシが群れで泳ぐ理由とは?
大群で泳ぐ姿が壮大で美しい「イワシ」ですが、彼らはなぜ大群で泳ぐのでしょうか?それは、外敵から身を守るためです。水族館ではこの修正を生かしたパフォーマンスや展示行われています。
1匹1匹は非常に小さいイワシですが、何百何千引きで集まれば、クジラにも負けないほど大きな生き物に見せることができます。これによって、小さい魚を狙う生き物の対象から逃れることができます。
また大群に紛れることで、自分自身が食べられる可能性を減らすことも出来ます。他の魚が囮になってくれるというわけです。
タツノオトシゴはオスが卵を産む?
タツノオトシゴは、オスが出産する魚として知られています。
もちろん卵を産むのはメスなのですが、その場所はオスのお腹にある「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる袋、そこにオスが精子を放出して、稚魚になるまで保護します。
そして出産の時期を迎えると、育児嚢から稚魚を出産します。そのため、タツノオトシゴでお腹が大きくなっているのを見つけたら、それはオスだということです!
このような出産方法をする理由は、オスが卵を守ることで生存確率を高めるためとされています。
サケは白身魚?
サケの身は薄ピンク色から赤色のものが多いため、赤身魚と勘違いされることがあります。しかし、サケは「白身魚」であることが知られています。
サケの身は本来白身魚の色に近いですが、普段食べているエビやカニの赤色を身に溜め込むことで、赤みがかった色になっています。この赤色は「アスタキサンチン」と呼ばれるカロテノイド系の色素で、抗酸化物質として注目されています。
ちなみにですが、 魚は筋肉中の血色素「ミオグロビン」の含有量によって「赤身」と「白身」に区別されています。赤身魚は回遊魚に多く、マグロやカツオなどが有名です。
サケはなぜ産まれた川に戻れる?
サケは孵化した後、成長するために海に出て、産卵するために自分が生まれた川にもどってきます(母川回帰)。なぜ自分の故郷の川に戻ることができるのでしょうか?
実はこのメカニズムは、まだはっきりと分かっていません。
しかし、これまで提唱されてきた学説の中で有力視されているものがあります。それは「嗅覚刷り込み説」です。
嗅覚刷り込み説とは、「母川特有のにおいに関する記憶を頼りにして、母川に回帰する」と考える説です。これは鼻に詰め物をしたサケが母川に回帰できなくなるなどの研究結果により、支持を集めています。
ピラニアは凶暴じゃない?
人を襲う魚として恐れられている「ピラニア」ですが、意外とその性格は臆病であることが知られています。普通に生活している場合、基本的に自分より大型の生き物を襲うということはありません!
水族館でも、水槽に人が入るとびっくりして逃げていくそうです。
しかし、あるものに反応して、ピラニアが豹変することがあります。それは「血の匂い」と「水を叩く音」です。ピラニアには、血の匂いや水面を叩く音に反応して興奮状態になる習性があり、群れ全体が興奮状態につつまれると、一斉にものすごい勢いで襲いかかってきます。
臆病な性格といえども、これを聞くとやはりピラニアの怖いイメージは払拭できませんね…。
オジサンという魚がいる?
ニックネームなどではなく、正式な和名として「オジサン」と呼ばれている魚がいます。オジサンは、スズキ目ヒメジ科の魚です。感じでは「老翁」や「小父さん」と書きます。
なぜこんな名前がついたのかというと、完全にその見た目からです。オジサンの顔には長ーいヒゲのような器官があり、正面から見るとまるでおじさんのよう、ということでこの名前になっています。
このヒゲのような期間には味を感じられる「味蕾(みらい)」が備わっているため、オジサンはヒゲを利用しながら食料を探します。
オバサンと呼ばれる魚もいる?
正式に和名として「オバサン」と呼ばれている魚はいませんが、千葉県の一部地域ではヨシキリザメを「オバサン」と呼んでいるそうです。
「オバサン」と呼ばれている由来は不明ですが、「外観がおばさんっぽいから」という可能性が高いと思います。よく水揚げされるサメでフカヒレとして活用されるので、漁師が呼び始めたのかもしれません。
また、鳥取県の一部地域では「タナカゲンゲ」という魚が「ババァ」または「ババ」と呼ばれているそうです。これは、顔がおばあちゃんのようだから、とされています。
デンキウナギの電気は馬を感電死させる?
「デンキウナギ」は、その名の通り体内で電気を発生させることができる魚です。その電流の強さは「馬を感電死させるほどであること」が知られています。
この記録は19世紀の生物学者「レクサンダー・フォン・フンボルト」が残したもので、1800年にアマゾンを訪れた際、電気ウナギが水中から飛び出して馬を感電死させたと記述しています。
この事例は誇張されたものと考えられていましたが、研究の結果、現在では誇張されたものではないとされています。水の外では電流が皮膚を通して一気に直接伝わるため、水中から飛び出すた電気ウナギの破壊力は、大きく増していくそうです。
アンコウのメスはオスを吸収する?
たくさんの種類が深海に住んでいる「アンコウ」ですが、実はその生き方は非常に特徴的です。
- オスがメスよりも数倍以上小さい
- オスはメスを見つけるとメスに噛み付く
- オスはメスに吸収され、精子を作る
この中でも特に印象的なのが、「オスはメスに吸収され、精子を作る」という点です。すべてのアンコウが吸収されるわけではありませんが、一部のアンコウはメスを見つけると噛み付いて、メスと一体化します。
その後は意識もなくなっていき、精子を作る器官のみが発達してい木、子孫を作り続けます…。
サンマには胃がない?
最近は資源量が減ってきていますが、いまだに秋の風物詩として人気の「サンマ」、実は彼らには胃がありません。そのため、食べ物はすぐに腸まで到達し、消化されていきます。
このように胃がない魚は「無胃魚」と呼ばれており、サンマ以外にも胃が無い魚がいます。有名どころだとトビウオ・イワシ・コイ・金魚などです。
サンマは胃が無い+食べ物が消化された後の夜間に漁が行われます。そのため、サンマの体内には消化物がほとんど残っておらず、ハラワタを食べることが出来ます。
ジンベエザメは深海魚?
世界一大きな魚である「ジンベエザメ」は、バイオロギングという手法を用いて、水深約1,000mまで複数回潜ったことが確認されています。
「深海」というのは、一般的に水深200mよりも深い場所のことを言います。深海魚にはっきりとした定義はありませんが、1,000mを超えるふかさまで生活の中で潜っているジンベエザメは、深海魚と言ってもいいと思います!
マンボウも深海魚?
一時期Twitterなどで最弱説が蔓延ったマンボウですが、彼らはかなり深いところまで頻繁に潜ることが知られています。
水深200m以下まで潜ることは珍しいことではなく、水深800mという非常に深い場所まで潜ったことも確認されています。個体によって差が大きくその詳しい理由はまだ不明ですが、餌を食べるためというのが通説です。
このことからマンボウも「深海魚」と言って差し支えないのではないのでしょうか?
マンタはエイの仲間?
どちらも平べったく、似たような形をしている「マンタ」と「エイ」ですが、それもそのはず、マンタはエイという大きなグループの中に含まれています。
軟骨魚類である「エイ」の中にトビエイ目というグループがあり、その中に「ナンヨウマンタ」と「オニイトマキエイ」の2種類が存在します。
この2種類のことを私達は「マンタ」と呼んでおり、これは英語の「Manta(マントや肩掛けに使われる毛布)」に由来するとされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は魚に関する面白い雑学や豆知識を、全部で50個紹介してきました。有名なものも紹介しているので知っていたものもあるかもしれませんが、知らなかったものもあったと思います!
これだけ知識が付けば、あなたもすでに魚博士です!ぜひ友人やパートナーに知識を披露してみてください。
また、水族館の雑学・豆知識についても紹介しているので、興味がある人はこちらも読んでみてください。