「コバンザメ」はサメじゃない?なぜ名前にサメがつく?

水族館でジンベエザメやウミガメなどにくっついている「コバンザメ」ですが、サメの仲間だと誤解している人も結構多いんじゃないでしょうか?

名前に「サメ」とついてはいますが、実は全然サメではありません!近縁というわけでもありません。

今回は「コバンザメ」がサメではない理由や、なぜサメじゃないのに「サメ」とついているのか、そんな疑問に答えていきます!

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サメじゃない「コバンザメ」について

サメではない理由を紹介する前に、簡単に「コバンザメ」を紹介しておきます。

「コバンザメ」の大きな特徴と言えば、やはり頭についた吸盤です!この吸盤を使ってジンベエザメなど大型のサメやカジキ、クジラなどに吸い付きます。

そして、食べ物のおこぼれや排泄物などを食べて生活しています。この場合、コバンザメ側だけ(片方だけ)が利益を得ているので「片利共生(へんりきょうせい)」と呼ばれます。

また、食用利用されることはあまり多くないですが、美味しい白身魚としても知られています!市場などで見つけたら購入をオススメします。

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「コバンザメ」と「サメ」は骨が違う

ここからは、コバンザメとサメの違いを見ていきましょう!コバンザメがサメの仲間ではない理由を説明するためには、骨の違いに着目する必要があります。

コバンザメの骨は、私たちが普段食べる魚と同じように非常に硬いです。そのため、分類としては「硬骨魚類(こうこつぎょるい)」に当てはまります。

一方でサメの仲間の骨は比較的軟らかくなっているため、サメは「軟骨魚類(なんこつぎょるい)」に当てはまります。

これがどういうことかと言うと、「コバンザメ」と「サメ」はかなり大きな分類の時点で別のグループに属している、ということです!

コバンザメは「スズキ目」のコバンザメ科に属しているので、サメとは全く近縁ではありません。無関係と言ってもいいぐらい別種です。

「軟骨魚類」ってなに?

軟骨魚類はその名の通り、骨の全てが軟骨からできている魚です。軟骨でできているため、骨は非常に軟らかいです。

また、あばら骨や小骨もないので、比較的食べやすい魚と言うこともできます。サメを食べる人はあまり多くないかもしれませんが、機会があれば確かめてみてください!

お酒を飲む人であれば「梅水晶」を食べたことがあるかもしれませんね。

ちなみに、魚の中で軟骨魚類に含まれる種類は少なく、大別すると「サメ・エイ・ギンザメ類」です。(ちなみに、ギンザメもサメではありません)

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じゃあ「硬骨魚類」ってなに?

一方で、硬骨魚類は骨のほとんどが硬骨からできている魚のことです。普段みなさんが食べる魚はほとんどがこの「硬骨魚類」に含まれます。

硬骨魚類に含まれる魚の骨は非常に硬く、皆さんご存知の通り、あばら骨や小骨もたくさんあるものがほとんどです。

もちろん、コバンザメにも硬い骨がたくさんあります。

なぜコバンザメには「サメ」がつくのか?

「コバンザメ」がサメではないことが分かりましたが、ではなぜ名前に「サメ」とついているのでしょうか?

まず、コバンのところから見ていきましょう。「コバンザメ」は頭の上に小判のような見た目・形の吸盤を持っています。これを使って大きな生物にくっついて生活しています。

また、コバンザメは「カメ」や「クジラ」といった生物の他に、サメにくっつく姿も頻繁に確認されています。水族館でもジンベエザメなど大型のサメにくっついていることがあります。

「サメ」によくくっついている「コバン」状の吸盤を持っている魚

ということで「コバンザメ」という名前になったと言われています。確かに顔をよく見るとあまりサメっぽい顔をしてません。平べったい、ユニークな顔をしています。

ちなみに英語だと「shark sucker」(サメに吸い付くもの)と言います。英語にしてもややこしい名前なんですね…。

他にも「サメ」とつくのにサメじゃない生き物が?

実はコバンザメ以外にも、サメじゃないのに名前に「サメ」とつく生き物がいます。

「サメ」とつくのにサメじゃない
  • チョウザメ
  • サカタザメの仲間
  • ウチワザメの仲間
  • ギンザメ

「チョウザメ」も硬骨魚類であり浮き袋を持っているので、サメとはかなり離れたグループに属しています。

また、「サカタザメ」や「ウチワザメ」の仲間は、エイの頭をサメの体にくっつけたような形をしています。以下の写真のような見た目です。

実はサメとエイの違いは形だけではありません。サメとエイはエラ穴の位置で判別することができます。

サメとエイの違い
  • エラの孔が体の側面にある→サメ
  • エラの孔がお腹がわにある→エイ

そのため、形がどれだけエイに似ていても、エラの孔が側面にあればサメと分類されます。

「サカタザメ」と「ウチワザメ」はサメのような体つきをしていますが、エラ孔が下についているので、エイに分類されます。しかし、見た目がサメっぽいので「サメ」と付いています。

また、「ギンザメ」は軟骨魚類に属していますが、サメとは別のグループの生き物です。

このように、名前の付け方は結構いい加減なことがあります(笑)

まとめ:ややこしい名前の生き物は結構多い

今回は名前にサメとついている「コバンザメ」がサメではない理由や、なぜ「サメ」とついているのかについて紹介してきました。

「コバンザメ」は硬骨魚類でスズキ目に属している魚なので、軟骨魚類である「サメ」とは全く別の生き物です!

こうした面白い生き物たちも多くの水族館で飼育されています。安く水族館に行ける方法も紹介しているので、皆さんもぜひ生の魚を魚を観に行ってみてください!

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この記事を書いた人

水族館や深海魚・水産に関わることなどが大好きです。
大学院で深海魚に関する研究をしていましたが、2020年に社会人になり
働きながらブログをちょこちょこと書いています。

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