おじさんみたいな深海魚と言えば「ニュウドウカジカ(ブロブフィッシュ)」です。今回はこの深海魚について紹介していきます。
この記事では、世界一醜い顔の動物にも選ばれたニュウドウカジカの、詳しい生態・特徴・味などを知ることができます。
他の深海魚についても画像や動画を交えて紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
ニュウドウカジカとは?
ニュウドウカジカはウラナイカジカ科に属する深海魚の1種です。
和名:ニュウドウカジカ
分類:脊索動物門カサゴ目ウラナイカジカ科
大きさ: 約 60cm
生息水深:水深800〜2800m
見た目の通りほとんど動かない魚で、普段は海底でじっとしながら獲物を待っています。
省エネ対策として筋肉を減らし、ブヨブヨのカラダで代謝を低く保っています。
どこに住んでいる?
ニュウドウカジカは北太平洋の深海に広く生息しており、もちろん日本でも捕獲される魚です。
僕が住んでいた宮城県でもたまに水揚げされていました。ですが、値段はほぼつかないので、市場に並ぶことはかなり稀です…。
どんな生態をしている?
ニュウドウカジカは肉食の魚です。
胃の中からは深海性のアナゴや魚・甲殻類が発見されています!
こちらの写真は実際に胃の中から出てきた「イラコアナゴ」というアナゴです。
ニュウドウカジカは基本的に海底でほとんど動かず、じーっと獲物を待っています。
見た目通り、泳ぐのは得意ではないです。ヒラメなどと同様、海の底で生きる魚です。こういった魚達は低生魚と呼ばれます。
ニュウドウカジカの特徴
ニュウドウカジカの大きな特徴はブヨブヨしたその体です。
英名である「Blobfish(ブロブフィッシュ)」のBlobにはブヨブヨしているという意味があります。
筋肉は90%近くが水分でできており、これは一般の魚よりもかなり多い値です。身がプルプルのアンコウよりも高いです。
しかし、そんなブヨブヨの体のおかげで深い海の下でも生きていくことができています。
海の中のニュウドウカジカはブサイクじゃない?
ブサイクな見た目であることが有名になっている「ニュウドウカジカ」ですが海の中では意外と普通の顔をしています。
写真を見ても、そこまでブサイクではないですよね?
なぜ陸地ではブサイクになる?
よく見かける写真のニュウドウカジカは、肌が白っぽく全身が垂れ下がっている状態のニュウドウカジカだと思います。
肌が白っぽくなっているのは、底引き網という漁で捕獲される際に皮が剥がれてしまったことが原因です。
また、全身が垂れ下がっているのはブヨブヨした体が原因です。重力に負けてしまうので、陸上では体がだらしなく見えてしまいます。
ニュウドウカジカは世界一ブサイク?
おじさんみたいな顔をした「ニュウドウカジカ」は2013年に「世界一醜い生き物」として、コンテストで優勝した経験があります。
これはイギリスにある「醜い生き物保存協会(Ugly Animal Preservation Society)」が行なったコンテストです。
このコンテストで優勝したことでニュウドウカジカの認知度が一気に高まり、多くの人がこの深海魚を知ることになりました。
ニュウドウカジカは食べるとうまい?
「ニュウドウカジカは結構うまい。」これは僕が漁師さんから聞いた話です。
食べ方はアンコウのようにぶつ切りにして、鍋に入れるのがオススメということです。水分が多い魚は鍋料理が最も適しています。
同じウラナイカジカ科の仲間である「アカドンコ」という深海魚も美味です。機会があればぜひ食べてみてください!
他の美味しい深海魚については、こちらの記事にまとめています。
ニュウドウカジカに会える水族館は?
ニュウドウカジカの生息水深は約800〜2,800mとかなり深くなっています。
そのため、水族館で飼育することはかなり困難。水族館でニュウドウカジカが観られるのはとても珍しいことです。
飼育実績があるのは以下の水族館のみです。
- おたる水族館(北海道)
- アクアマリンふくしま(福島)
近縁種のアカドンコは「うみの杜水族館」で飼育実績があるので、こちらを観にいくのもアリです。
とはいえ、深海魚は飼育が難しく、常に見られるわけではありません。確実に見たい場合は、事前に確認を取ることをオススメします!
とにかく生きた深海魚を観てみたい、という方はこちらの記事をご覧ください!
もっと深海魚が観たい人にオススメ
今回は「ニュウドウカジカ」について詳しく紹介してきました!
ですが、世の中にはまだまだ様々な深海魚がいます。
様々なテーマで深海魚をまとめているのでこちらからどうぞ。
もっと深海魚について知りたい方は、本を読むのもオススメです。
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[…] 「コンニャクウオ系の魚」や世界一不細工な「ニュウドウカジカ」に見られる特徴です。 […]