最近少しずつ聞くようになった「未利用魚(みりようぎょ)」私の大好きな深海魚も、この「未利用魚」として、扱われることが結構あります。
少しずつ利用されるようになってきていますが、なぜ深海魚を含めた未利用魚は「未利用」つまり「利用されてこなかったのか」、今回はそんな疑問に答えていこうと思います。
未利用魚が「未利用」な理由!
未利用魚や低利用魚がなかなか利用されないのには、大きく分けて下記のような理由があります。
皆さんが普段スーパーなどで買って食べている魚のほとんどは、これらの基準全てをクリアして流通しています。
- 知名度が無く、売れないから
- 取り扱いに注意が必要だから
- 漁獲量が少ないから
- 小さくて食べにくいから
- 大きすぎて扱いづらいから
- 見た目が悪いから
- イメージが悪いから
この一覧を見ると、市場に流通するには結構色々な条件をクリアする必要がある、ということがわかりますね…。
一つずつこの理由について見ていきましょう。
未利用魚は知名度が無く、売れない
未利用魚の多くは知名度がありません…。知名度が低いと、それを買ってくれる人も少ないため、値段も低くなりがちです。
そうなると販売する側が十分な利益を取れないので、優先度が低くなり、利用される頻度も少なくなってしまいます。
一部では知る人ぞ知る高級魚として流通したりしますが、そんな選ばれた未利用魚は一握りです。
トゲや毒に取り扱い注意
一部の未利用魚は、その危険性から利用を避けられています。
なぜ危険なのかというと、体にトゲがついていたり、そのトゲに毒があったりするからです。トゲだけでなく、歯が鋭くて危険な未利用魚も存在します。
たとえ味が美味しかったとしても、扱いが難しい魚は、利用される頻度が少なくなってしまいます。
未利用魚の多くは漁獲量が少ない
漁獲量が少なく、まとめて販売することが難しい魚たちも利用頻度は少なくなりがちです。
ビジネス的な効率を考えたとき、同じものを多く扱った方が、作業量が減りますし扱いも楽になります。
少ししか獲れない魚に時間と手間をかけられない、ということで利用されていない魚がたくさんいます。
未利用魚は小さくて食べにくい
未利用魚の多くは、サイズが小さかったり、大きくても食べられる部分が少なかったりします。
普段スーパーなどで手に入るマグロは、可食部の重量が全体の50%ほどありますが、未利用魚の場合30%ほどしかないものもいます。
食べられる部分がたくさん取れる方が生産者にとっても消費者にとっても嬉しいので、小さい魚や可食部が少ない魚はなかなか流通に回ってきません…。
未利用魚の一部は大きすぎる
小さい魚が利用されないと言いましたが、やはり何事にも限度があります。可食部がたくさんあっても、体が大きすぎる魚もなかなか利用されません。
体が大きいということで話題になる可能性はありますが、それをちょうどいいサイズにさばいて商品にするのは結構大変です。
そこまでしても見返りがあるぐらい高く売れるならいいですが、現実はそう上手くいきません…。
未利用魚は見た目が悪い
未利用魚はその見た目の悪さから、利用されないことも多いです。これは特に深海魚系の未利用魚に見られる理由です。
私が大学時代に扱っていた「オニヒゲ」という深海魚は見た目があまりよろしくありません…。
実はとても美味しいのですが、なかなかこの見た目の魚を買ってくれる人も少ない、ということで利用頻度は少ないです。
イメージが悪いから未利用魚
一部の未利用魚は、イメージが悪いことで未利用魚となっています。サメなどの軟骨魚類は体に尿素が多いため、時間が経つとアンモニア臭い臭を放つことがあります。
そのせいで「サメ=アンモニア臭い」というイメージを持った人が捨ててしまう、ということも起きています。
実は美味しいのにイメージが悪いだけで、利用されずに棄てられてしまう。そういう未利用魚もいるんです…。
美味しい未利用魚が食べられるサービスがある
ここまで、未利用魚が利用されない理由を詳しく紹介してきました。
イメージが悪かったり、食べられる部分が少なかったりと消費者目線では比較的欠点の多い未利用魚ですが、最近少しずつ利用され始めています。
これは、SDGsの認知度が上がり、資源を大切にしようという考えが普及してきたことが理由です。以下のサービスでは、美味しい未利用魚を食べることができるので、ぜひ、一度活用してみてください。
特に「Fishlle!」は既に調理済みなので、未利用魚の欠点を補ってくれています。より詳しくは下記の記事でまとめているので、ぜひそちらも読んでみてください。
まとめ:未利用魚を活用しよう!
今回は未利用魚が「未利用」である理由を紹介してきました。
商流に乗せるという意味では欠点が多いのは事実ですが、利用するためのサービスも少しずつ生まれてきています。
皆さんも、利用されることなく廃棄されている未利用魚をぜひ活用してみてください!では、また。
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