ぷかぷか浮かぶ姿や、飼育員に懐いた姿が人気のラッコ、ピークの1994年には国内のラッコは122頭もいました。しかし、2023年9月現在、日本でラッコが観られる水族館は2館しかありません。
一体、どこに行けばラッコに会えるのか、2館の水族館とその特徴について解説していきます。
記事を読んだ後は、ぜひラッコに会いに水族館へ行ってみてください!
ラッコに会える①「鳥羽水族館」
まずは紹介するのは、三重県にある「鳥羽水族館」です。日本で一番飼育種数が多いため、いろんな生き物が観たい!という人にオススメです。
鳥羽水族館には約1,200種類の生物がいます。魚だけでなく、哺乳類や鳥類・両生類など、そして深海生物もたくさんいます。イルカもいますし、クリオネもいますし、アシカもいますし、ピラルクもいます。
また、珍しい生き物で言うと日本で唯一の展示である「ジュゴン」が展示されています。人魚のモチーフとされる生き物でもあり、鳥羽水族館に来たら見逃せません。
そして、そんな数々の生き物のなかに「ラッコ」も含まれています。1983年にラッコの飼育を開始した鳥羽水族館は、2023年10月3日で飼育開始40周年を迎えます。
現在は2頭のラッコを飼育しており、その可愛らしい姿がSNSでも人気なので、ぜひ実際に会いに行ってみてください!
ラッコに会える④「マリンワールド 海の中道」
続いて紹介するのは、福岡県にある「マリンワールド 海の中道」です。九州のさまざまな海をテーマとした展示が充実している、九州最大の水族館です。
マリンワールド海の中道は、玄界灘の荒波を再現した展示や、海獣に会える展示「かいじゅうアイランド」など、さすが総合水族館といえる施設となっています。
また、ここでは2023年で16歳を迎えるラッコのリロを飼育しています。2022年のサッカーワールドカップ勝敗予想などで話題となりました。
パートナーであるマナが病気のため9歳で亡くなってしまいましたが、ぜひ長生きしてほしいですね。
2021年までラッコに会えた「アドベンチャーワールド」
続いては、最近までラッコに会えた施設を紹介します。まずは、和歌山県にある「アドベンチャーワールド」です。遊園地・動物園・水族館が合わさったような巨大施設です。
アドベンチャーワールドは、パンダが有名な施設ですが、実はイルカやペンギンなど海の生き物もたくさんいます。パフォーマンスも大迫力で見逃せません!
アドベンチャーワールドでは、2021年の3月までラッコを飼育していましたが、ラッコが複数頭で行動する動物種であることを考慮して、鳥羽水族館に引越ししています。
1987年からラッコの飼育を開始し、繁殖にも成功したアドベンチャーワールドですが、約34年間のラッコ飼育が終わりました。
ラッコの飼育は終わりましたが、他にもたくさんの動物がいるので、引き続き楽しむことができます!
2022年までラッコに会えた「須磨海浜水族園」
続いて紹介するのは、兵庫県にある「須磨海浜水族園」です。「スマスイ」の名で地元に親しまれる水族館です。
須磨海浜水族園は「生きざま水族館」として生、き物の生きざまを魅せる水族館です。特に「さかなライブ劇場」は見逃せない展示です!
展示の規模もかなり大きく、「海の生き物も・淡水の生き物も・ショーも」総合的に充実した水族館となっています。
須磨海浜水族園でも2022年に亡くなるまで、ラッコの「明日花」を飼育していました。国内最高齢となる23歳は、人間だと100歳相当といいます。すごいですね。
須磨海浜水族園は現在2024年6月までリニューアル工事中なので、オープンしたらぜひ行ってみてください!
ラッコの数が減少した理由は?
現在、日本でラッコに会える水族館は2館しかありません。しかし、なぜこのような状況になってしまったのでしょうか?その理由は大きく二つあります。
- ラッコの繁殖が上手くいかなくなった
- ラッコの輸入規制がなされた
一つ目の理由は「ラッコの繁殖が上手くいかなくなったから」です。かつてはアドベンチャーワールドなど、ラッコの繁殖に成功した例はありました。
しかし、そもそもの繁殖率が低かったり、繁殖出来ても長く生きられない個体が多かったり、交尾がうまくいかなかったり、といった事象が続き、国内の個体数は徐々に減少していきました。現在国内に残っているラッコ達も、繁殖が難しくなる16歳を超えてきているので、新たな繁殖は考えづらい状況です。
もう一つの理由は、「絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約により輸入が規制されてしまったから」です。絶滅危惧種となるまで数が減ったのは、毛皮目的での乱獲や環境汚染が理由です。
日本への輸入例は、2003年のロシアからが最後となっており、日本ではそもそも捕獲が禁止されているため、ラッコの飼育数を増やす方法は現状ありません…。
ラッコの基本情報
ラッコの基本情報についても簡単に解説します。
比較的寒い地域に生息しており、日本でも北海道で確認されているラッコ。野生で見るのはなかなか難しいですが、2023年7月には、北海道東部にある浜中町の湯沸(とうふつ)岬沖合で、ラッコのベビーラッシュが起きているというニュースもありました
今後、数がどんどん増えて行けば、水族館での飼育が解禁されるかもしれません。
ラッコは毛に特徴がある?
ラッコの手には体毛がありませんが、それ以外の部分の体毛密度はとても高くて、哺乳類のなかでも抜群に多いです。その数は、なんとおよそ8億本!
ちなみに一般的な人の髪の毛の本数は10万本です。なぜこんなに多いのでしょうか?理由は主に2つあります!
一つは「体温が奪われるのを防ぐため」です。寒い地域でも暖かくいられるように、たくさんの毛で自分の体を守っています。
もう一つは「水の上でずっと浮いているため」です。体毛がぎっしり生えていることによって、毛と毛の間に空気が入り込む層ができています。
ラッコは体毛のケアが大事?
ラッコの生活は「寝る」「食べる」「毛づくろい」この3つで構成されています。
「え、毛づくろい?」と思った方もいるはず。
その理由は、水に浮く能力を維持するために「毛づくろい」が非常に重要だからです。
毛の汚れを落として清潔に保つことで空気が毛の間に入りこむようになり、浮力を保つことができるんです。
ラッコにはこだわりがある?
ラッコはこだわりが強いことでも知られている動物です。
お気に入りの石や氷などを見つけると、それを決まった場所に隠したり、体のポケットに隠し持っていたりします。
また食べ物にもこだわりがあります!
主食は甲殻類、貝類、魚類など幅広いですが、個体によって好き嫌いがはっきりしてます。
好きなものばかり食べる、偏食家な一面があるのも特徴です。人間みたいですね。
まとめ:ラッコに会いに、水族館へ!
今回はラッコに会える日本の水族館を紹介してきました。
その数は減り続けて、2館となってしまいましたが、まだラッコに会えるチャンスはあります。
ぜひ実際に行ってみて、彼らの可愛さを生で感じてみてください。
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