ジンベエザメは本当にサメ?クジラじゃない理由とは?

世界最大の魚類として知られており、日本の水族館でも大人気の「ジンベエザメ」ですが、その大きさや温厚な性格は、多くの人が持つサメのイメージからかけ離れています。

プランクトンを食べて生活していることもあり、本当にサメなの?どちらかと言うとクジラじゃない?と疑問に思っている人も多いと思います。

ということで今回は「ジンベエザメがサメなのか、クジラなのか」という疑問に答えていきます!

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目次

ジンベエザメはクジラ?サメじゃない?

最初に結論から言ってしまうと「ジンベエザメ」はサメです!

ジンベエザメは世界最大の魚類で、成長すると体長は約10mを超えるほどになります。確かにクジラのように大きいですね。

また、プランクトンを食べて生活しており、肉食でもありません。これもどちらかと言うとクジラのイメージに近いかもしれません。

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さらに、ジンベエザメは英語で「whale shark」と言います。名前にクジラ(whale)とサメ(shark)の両方が入っており、やはり海外でもクジラっぽいイメージがついているようです。

しかし、ジンベエザメは分類としては「サメ=魚類」になります。一方で「クジラ」は私たち人間と同じ哺乳類です。

これはなぜなのでしょうか?ジンベエザメとクジラの違いに着目して、もう少し詳しく解説します。

ジンベエザメとクジラは呼吸方法が違う

私たち人は呼吸するとき、空気を吸って酸素を取り込み、二酸化炭素を出す、いわゆる「肺呼吸」を行います。

クジラも私たちと同じ哺乳類であり、「肺呼吸」で空気から酸素を取り込みます。

一方、魚類であるジンベエザメは、「エラ呼吸」を行い、水中にある酸素を取り込みます。

クジラは息をするときに水面に出て酸素を取り込む必要がありますが、ジンベエザメは水中で呼吸し続けることができるというわけです。

ただし、クジラは一度息を吸ったら、1時間以上そのまま潜り続けることができます!

ジンベエザメには噴気孔が無い

呼吸の違いに関連していますが、ジンベエザメには「噴気孔」がありません。

「噴気孔」は潮吹き穴とも呼ばれており、簡単に言うとクジラの背中についている「鼻の穴」のことです。クジラの背中の方から水が出ている絵がよく描かれますが、あの水は噴気孔から出ています。

クジラは噴気孔から酸素を取り込んで呼吸しており、潜る時は水が入らないように閉じています。

このように、呼吸方法の違いから体の器官にも違いが生まれています。噴気孔が無い代わりにジンベエザメにあるのが「エラ」です。

逆に言うとクジラにはエラがありません!

ジンベエザメはクジラと泳ぎ方が違う

実はジンベエザメとクジラは「泳ぎ方」が全然違います。

魚類であるジンベエザメの尾びれは縦向きについています。そのため、尾びれを横向きに振って泳ぎます。

一方、クジラの尾びれは横向きについています。そのため、尾びれを上下に振って泳ぐんです。私たち人間が泳ぐのと同じイメージですね!

この理由ははっきりと分かっていませんが、空気を吸いに行くために上方向に泳ぎやすいから、などと考えられています。

ジンベエザメはクジラと出産方法が違う

また、ジンベエザメとクジラは「出産の方法」も違います。

まずサメの出産方法についてですが、実はサメの出産にはいくつか種類があり、下記の通りバラエティに富んでいます。

サメの出産方法
  • 卵生:卵を産み落とす
  • 胎生:子供を産む
  • 卵胎生:卵を胎内で孵化させる

出産の方法は、サメの種類によって非常に複雑なため、卵胎生という言葉は使われなくなってきていますが、この中でもジンベエザメは「卵胎生」であり、体の中で多くの稚魚を孵化させます。なんと、300匹の子供が見つかったこともあります。

一方でクジラは私たち人間と同じように、卵ではなく赤ちゃんを直接生む「胎生」の生き物です。

ジンベエザメにはロレンチーニ瓶(器官)がある

サメの仲間は、顔の先の部分(吻)にロレンチーニ瓶と呼ばれる器官を持っています。サメの1種である「ジンベエザメ」も例に漏れず、この器官を持ちます。

ロレンチーニ瓶は、生物が発する弱い電気を感じ取るための器官で、砂の中に潜んでいる魚の筋肉の動きや心臓の動きを感じ取ることができます。この器官はクジラにはありません。

変な名前だな、と思っている人もいるかもしれませんが、ロレンチーニさんが発見したことでこの名前がついています。

なかなか見つけづらいかもしれませんが、機会があれば水族館などでサメの吻の先をチェックしてみてください!

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ジンベエザメは体温が変化する

ジンベエザメは魚類なので、みなさんご存知の通り変温動物です。周りの環境に応じて体温は変化していきます。寒いところにいれば体温は下がりますし、暖かいところにいれば体温は上がります。

一方で、クジラは哺乳類なので、私たち人間と同じ恒温動物です。体温は30℃後半を保っていますが、体に異変があると体温は変化します。

そのため、水族館ではクジラの体温を定期的に測定することで体調のチェックを行なっています!

サメとつくのにサメじゃない生き物もいる?

チョウザメ(サメじゃないよ)

ここまでジンベエザメとクジラの違いをいくつか紹介してきました。ここからも分かる通り、ジンベエザメはクジラっぽいですが、「サメ」の仲間です。

一方で、名前に「サメ」とついているにもかかわらず、サメではない生き物もいます。例えば以下のような魚たちです。

「サメ」とつくけどサメじゃない
  • コバンザメ:硬骨魚類なので全然違う
  • チョウザメ:硬骨魚類なので全然違う
  • サカタザメ:エイなのでちょっと違う
  • ギンザメ:軟骨魚類だけどちょっと違う

サメは軟骨魚類に分類されますが、「コバンザメ」と「チョウザメ」は硬骨魚類なので、サメではありません。

「サカタザメ」と「ギンザメ」は軟骨魚類ではありますが、「サカタザメ」はエイの仲間ですし、「ギンザメ」はサメやエイとは別のグループなんです。

名前の付け方は結構いい加減ということがよく分かりますね(笑)

まとめ:ジンベエザメは間違いなく「サメ」

プランクトンを食べる温厚な性格からクジラと疑われることもある「ジンベエザメ」が、クジラではなくサメである理由を解説してきました!

まとめるとクジラとの違いはこんな感じです。

ジンベエザメクジラ
呼吸方法エラ呼吸肺呼吸
噴気孔なしあり
泳ぎ方尾びれを横に振る尾びれを縦に振る
出産方法卵胎生胎生
ロレンチーニ瓶ありなし
体温変温恒温

他の記事でも動物の特徴などについてまとめているので、ぜひチェックしてみてください!

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この記事を書いた人

水族館や深海魚・水産に関わることなどが大好きです。
大学院で深海魚に関する研究をしていましたが、2020年に社会人になり
働きながらブログをちょこちょこと書いています。

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