皆さんは「海獣(かいじゅう)」という言葉を聞いたことはありますか?もしかしたら水族館好きの方はよく聞くかもしれません。
動物たちのグループを表す言葉ですが、音が「怪獣(かいじゅう)」と同じなので、勘違いしていたという人もいるかもしれませんね。
今回は、「海獣」とは何なのか?そしてどんな生き物が含まれるのかを解説していきます!
海獣(かいじゅう)とは?
海獣(かいじゅう)とは、「海に生息している哺乳類」のこと、つまり海生哺乳類のことを表しています。これは、水族館や漁業における業界用語として利用されることがあります。
形質によってグルーピングされているだけで、分類学や系統学的な分類ではありません。
海に生息している哺乳類ということで、大体どんな生き物が含まれるか分かる人もいると思いますが、具体的な生物種を見ていきましょう!
海獣に含まれる生き物たちは?
海獣は下記の通り、大きく分けて4つのグループに分類されます。
- クジラ類:クジラ、イルカなど
- 鰭脚類 :アザラシ、セイウチ、アシカなど
- 海牛類 :ジュゴン、マナティー
- その他 :ラッコ、ホッキョクグマなど
どれも水族館で飼育されることの多い種類なので、見たことがある人も多いと思います。
海獣①:クジラ類
海獣に含まれるグループの1つ目は「クジラ類」です。クジラ類に含まれるのは「クジラ・イルカ」などで、具体的にはこんな種類がいます。
- シロナガスクジラ
- バンドウイルカ
- イロワケイルカ
- シャチ など
イルカはクジラの仲間ですが、体の大きさで区別されることが多く、大体4mぐらいがその境目となっています!この基準を目安とすると、日本にもクジラが観られる水族館があります。
海獣②:鰭脚(ききゃく)類
海獣に含まれるグループの2つ目は「鰭脚(ききゃく)類」です。鰭脚類とは、漢字を簡単にすると「ヒレ足」なので、足が魚のヒレのようになっている生き物たちです。
「アシカ・セイウチ・アザラシ」などが含まれ、具体的にはこんな種類がいます。
- カリフォルニアアシカ
- ミナミアメリカオットセイ
- セイウチ
- ゼニガタアザラシ
- トド など
意外と種類の多い鰭脚類ですが、たまにしか水族館に行かない人にとって、鰭脚類を見分けるのは至難の業です。もし水族館でしっかり見分けたいという人はこちらの記事を読んでみてください!
海獣③:海牛類
海獣に含まれるグループ3つ目は「海牛類」です。その名の通り、海に住んでいる牛のような生き物ですが、大きく分けると「ジュゴン」と「マナティー」の2グループに大別されます。
- ジュゴン
- アメリカマナティー
- アマゾンマナティー
- アフリカマナティー など
ジュゴンもマナティーも人魚の由来とされている生き物で、日本の水族館でも飼育されています!
海獣④:その他
海獣に含まれるグループの4つ目は「その他」です。クジラ類・鰭脚類・海牛類に含まれない種類のことで、ここに含まれる種類は厳密に決まっていません。
- ラッコ
- ホッキョクグマ
- コツメカワウソ など
ラッコは海獣として含めることが多いですが、ホッキョクグマは海獣に含まれないこともあります。
また、カワウソは名前の通り淡水域に生息する動物なので海生哺乳類ではありませんが、海獣として扱われることがあります!
海獣(かいじゅう)を分類すると?
海獣の具体的な種類を挙げてきましたが、彼らはその生活方法から、大きく分けて3つにグループ分けすることも出来ます。
- 常に海に生息する種類
- 海と陸上で住み分けする種類
- 常に陸上に生息するが、場合によって海を泳ぐ種類
具体的に内容を見ていきましょう!
1. 常に海の中に生息する種類
まずは「常に海に生息する種類」です。これに該当するのは、クジラ類と海牛類です。
クジラ類や海牛類は、完全に海での生活に適応しているため、陸上で生きていくことはできません。一生を海で生活しています。
彼らは常に海にいるということで、魚の一種と間違われることもありますが、私たち人間と同じ哺乳類の仲間です。
2. 海と陸上で住み分けする種類
続いては「海と陸上で棲み分けする種類」です。これに該当するのは、鰭脚類やラッコなどです。
鰭脚類やラッコ達は、種類によってその割合は変わりますが、海と陸上の両方で生活を行います。
鰭脚類であるアザラシやアシカ達が陸上で寝転がっている姿を見たことがある人は多いと思います。一方で、水中をスイスイと泳ぎ回る姿も観れますね。
また、ラッコが陸上に上がるイメージがあまりないかもしれませんが、海では天候が荒れた時や休憩するときにりくに上がることがあります。
3. 常に陸上に生息するが、場合によって海を泳ぐ種類
最後は「常に陸上に生息するが、場合によって海を泳ぐ種類」です。これに該当するのは、ホッキョクグマです。
ホッキョクグマは、食べ物をとるときや外敵から逃れる際などに海を泳ぎますが、基本的には陸上で生活しています。水族館や動物園でも、水の中に入っているホッキョクグマを見たことがある人も多いと思います!
基本的に陸上で生活しているということで、海獣に含まれないこともありますが、「海に生息する哺乳類」というところから、海獣に含めても問題ないと思います!
海獣でも水中に居続けることは出来ない?
海獣の生活方法について紹介してきましたが、彼らは常に水中にいられるわけではありません。これは常に海で生活している「クジラ類」も「海牛類」も同じです。
海獣類は海に住んでいる「哺乳類」です。魚類ではありません。そのため「エラ呼吸」ではなく「肺呼吸」で酸素を体内に取り込みます。
つまり、イルカやクジラ・ジュゴンなどを含む海獣達も、酸素が不足したら水面から出て呼吸をする必要があります!
ただし、海獣達は一度呼吸をすれば長時間潜水出来ます。人間であれば平均1分程度ですが、クジラやアザラシには1時間以上潜水することができる種類もいます。
海獣に会えるオススメ水族館
ここまで海獣について詳しく解説してきました。種類を見て気づいた人もいるかもしれませんが、海獣達の多くは水族館の人気者でその愛くるしさがよく話題に上がります。
そんな彼らに会いたい!という人も多いと思うので、海獣類に会いたい人にオススメの水族館をいくつか紹介します。
どの水族館も、多種多様な海獣と触れ合える最高の水族館です。もちろん海獣以外にもそれぞれ特徴があるので、ぜひ実際に行ってみてください!
まとめ
今回は水族館などでよく耳にする「海獣(かいじゅう)」について紹介してきました!今回の内容をまとめるとこんな感じです。
- 海獣(かいじゅう)は、「海に生息している哺乳類」
- 海獣には、クジラ類・鰭脚類・海牛類・その他(ラッコ・ホッキョクグマ など)がいる
- 海獣は生活場所によって大きく3つに分類される
- 海獣は肺呼吸のため、常に水の中に潜り続けることはできない