今回は、生きた化石としても知られる「オウムガイ」について、詳しく解説していきます。
他の深海魚についても画像や動画を交えて紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
深海生物「オウムガイ」とは?
「オウムガイ」はオウムガイ目オウムガイ科の深海生物です。
和名:オウムガイ
分類:軟体動物門オウムガイ目オウムガイ科
大きさ:約 20〜25 cm
生息水深:約 0〜400 m
オウムガイは貝殻を持っていますが、イカやタコと同じ頭足類に分類されます。
似たイメージの強いアンモナイトは、オウムガイよりもイカやタコに近いと考えられています!
どこに住んでいる?
オウムガイはインド洋〜西太平洋に生息していることが知られています。
日本の水族館でも飼育されることは多いですが、日本近海には生息していません。
生息水深は深くても600mほどで、800m以上を超えると圧力に耐えることが出来ず、殻が壊れてしまいます。
どんな生態をしている?
オウムガイは約90本の触手を使って、餌をとります。この触手にはシワがたくさんあり、物に付着することもできます。
移動する際は、取り込んだ海水を勢いよく吹き出して泳具ことが出来ます。イカやタコなどの頭足類に分類されることもあり、イカやタコと同じような泳ぎ方をします。
ですが、イカやタコがレンズ式の眼を持つ一方で、オウムガイの眼はピンホールカメラ式です。レンズがないので視力はあまりよくありません。
オウムガイの特徴
オウムガイの持つ特徴は以下の通りです。やはり、この特徴的な見た目は外せません!
- 約5億年変わっていない見た目
- アンモナイトとの違い
- 貝のような貝殻
まずは「約5億年変わっていない見た目」です。
オウムガイの祖先は5億年ほど前に誕生したと考えられています。そしてその当時の原始的性質を今でも持っているとされています。この特徴から「生きている化石」と呼ばれている、というわけです。
続いて「アンモナイトとの違い」です。
オウムガイはアンモナイトと混同されることがよくあります。しかし、実はアンモナイトよりも古い祖先を持つとされています。殻の形態や構造も若干異なっており、アンモナイトの方がイカやタコに近縁だとされています!
続いては「貝のような貝殻」です。
オウムガイの持つ殻は、貝殻とよく混同されます。確かに見た目は巻き貝に似ています。しかし、内部の構造はかなり違っていて、オウムガイの貝殻の中には仕切りがあります。奥の部分は空洞になっており、ここにあるガスと液体で浮力を調整しています。
「オウムガイ」は食べると美味しい?
実は「オウムガイ」は結構美味しいということが知られています!
それもそのはず、フィリピンの一部地域では高級食材として利用されています。肉と内臓はシーフードレストランでも提供されるとか。
現地では醤油で炒めたり、肝と一緒に炒めて食べられます。実際に食べた方の感想がこちらです。
メニューは身と鰓の醤油炒めと肝のニンニク炒め。
なるほど、イカとも貝ともつかない芯の強い歯ざわりと風味には、ガツンと濃厚、明快な味付けが合うのだ。たいへんおいしい。いくらでも食べられる。
Daily Portal Z| オウムガイの捕まえ方と食べ方
イカやタコの仲間ということで、イカに近い味という人もいますが、貝に近い味という人もいます。機会があれば一度食べてみたいですね…。
オウムガイは美味しい深海生物ですが、もっと簡単に食べられて非常に美味しい深海魚がたくさんいるので、まずはそちらにトライすることをオススメします!
オウムガイに会える水族館は?
オウムガイは浅いところにも浮上する深海生物なので、飼育している水族館も多いです。
以下のような水族館であれば、観られる可能性は高いです。
- アクアマリンふくしま(福島)
- 新江ノ島水族館(神奈川)
- 沼津港深海水族館(静岡)
- 鳥羽水族館(三重) など
ぜひ、生きている化石と呼ばれるその姿を、自分の目で確かめてみてください。
ただし、深海生物はまだ分かっていないことも多く、常設展示が難しい種類もかなりいます。そのため、確実にみたい場合は事前に水族館に確認してみることをオススメします。
とにかく生きた深海魚に会いたい、という方はこちらの記事をご覧ください!
もっと深海魚が観たい人にオススメ
今回は深海生物「オウムガイ」について、詳しく紹介してきました!
ですが、まだまだ様々な深海魚が世の中には存在しています。
様々なテーマで深海魚をまとめているので、興味がある方はこちらからどうぞ。
もっと深海魚について知りたい方は、本を読むのもオススメです。綺麗な写真で深海魚を観ることができます!
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