悪魔の深海ザメ「ミツクリザメ」とは?水族館で会える?

今回は、悪魔の深海ザメとして知られる「ミツクリザメ」について、詳しく解説していきます。

他の深海魚についても画像や動画を交えて紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください!

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深海ザメ「ミツクリザメ」とは?

「ミツクリザメ」はネズミザメ目のサメで、ミツクリザメ科に属している深海ザメです。

和名:ミツクリザメ
分類:脊索動物門ネズミザメ目ミツクリザメ科
大きさ:約 1〜3 m
生息水深:約 400〜1,300 m

発見者である箕作佳吉(みつくりかきち)が名前の由来になっています。

長い吻(ふん)と飛び出す顎という奇妙な見た目から、英語ではゴブリンシャーク(Goblin shark)と呼ばれています。

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どこに住んでいる?

出典:Wikipedia (Yzx)

ミツクリザメは上図のように、世界各地で発見されています。しかし、これまでの発見報告は日本がほとんどです。

特に駿河湾や相模湾といった、深海湾での発見例が多くなっています。ミツクリザメの第一号が発見されたのも相模湾でした。

発見数は少ないですが、千葉県沖の東京海底谷の入り口で多くの幼魚が発見されたことや、台湾の北西沖で100尾を超えるミツクリザメが漁獲されたこともあります。

どんな生態をしている?

ミツクリザメは深海性の甲殻類や頭足類をはじめ、他のサメを食べることもあります。

微弱電流を感知することができる「ロレンチーニ瓶」を利用して海底に潜んでいる生物を見つけ出し、長い吻で獲物を掘り起こします。そして、口を前に突き出して獲物を吸い込むと考えられています。

トゲのように並んでいる歯は肉を食いちぎるというよりも、くわえた獲物を離さないために機能しています。また、この歯と似た歯の化石が発見されていることから、「ラブカ」と並んで生きた化石と呼ばれることがあります!

ミツクリザメの特徴

ミツクリザメの持つ特徴は以下の通りです。やはり、長い吻と飛び出す下顎が大きな特徴です。

ミツクリザメの特徴
  • 長く伸びた吻と飛び出す顎
  • 吻の先にあるロレンチーニ瓶
  • 生きた化石と呼ばれる見た目

まずは「長く伸びた吻と飛び出す顎」です。

ミツクリザメを語る上でこの特徴は外せません。実は顎が飛び出すこと自体は、サメ類の中で特別珍しい特徴ではありません。しかし、ミツクリザメの場合はその突出がかなり分かりやすく、しかも簡単に起きるということが面白いところです。

この特徴のせいで、「ゴブリンシャーク」や「悪魔のサメ」と呼ばれるような見た目になっています。

続いて「吻の先にあるロレンチーニ瓶」です。

こちらも多くのサメが持つ特徴ではありますが、紹介したいと思います。ミツクリザメの吻には小さい穴が空いており、この部分で生物が発する弱い電流を感知することができます。この器官は「ロレンチーニ瓶」と呼ばれており、獲物を発見するために欠かせない特徴です!

続いては「生きた化石と呼ばれる姿形」です。

歯の形もそうですが、長く伸びた吻などもミツクリザメが生きた化石と呼ばれる理由です。白亜紀に生息していた「スカバノリンクス(下図)」というサメは非常に似た姿形をしています!

出典:Wikipedia (Citron)

「ミツクリザメ」は食べると美味しい?

食べたという報告はまだ少ないですが、「ミツクリザメ」は全く美味しくない可能性が高いです!

実際に食べた方は、ミツクリザメの味を以下のように説明しています。

そして肝心の食味の評価はというと…「水っぽい」「まずい」「臭い」。ミツクリザメに申し訳ないくらいの最低の評価でした。

ブックマン社「Vol. 11 深海魚のテレビ余録:深海魚は美味しいか?」

かなりひどい評価ですね…。なかなか食べる機会はないと思いますが、機会があっても食べなくていいかもしれません。

ちなみに、同じく深海ザメとして有名な「ラブカ」は美味しいことで知られています!

もっと簡単に食べられて非常に美味しい深海魚がたくさんいるので、ミツクリザメよりもまずはそちらにトライすることをオススメします!

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ミツクリザメに会える水族館は?

現在のところ、生きたミツクリザメを常設で展示している水族館はありません。生息深度が深いだけでなく、飼育のノウハウもまだ蓄積されていないので、展示するのはかなり難しいです。

とはいえ、ミツクリザメの展示は何度か実現しています。その水族館はこちらの通りです!

ミツクリザメの展示実績がある水族館

生きた個体は簡単に観られませんが、標本を展示している施設がいくつかあります。どうしても見たいという方は標本を見に行くのもオススメです。

ミツクリザメの標本がある水族館

とにかく生きた深海魚に会いたい、という方はこちらの記事をご覧ください!

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もっと深海魚が観たい人にオススメ

今回は深海ザメ「ミツクリザメ」について、詳しく紹介してきました!

ですが、まだまだ様々な深海魚が世の中には存在しています。

様々なテーマで深海魚をまとめているので、興味がある方はこちらからどうぞ。

もっと深海魚について知りたい方は、本を読むのもオススメです。綺麗な写真で深海魚を観ることができます!

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この記事を書いた人

水族館や深海魚・水産に関わることなどが大好きです。
大学院で深海魚に関する研究をしていましたが、2020年に社会人になり
働きながらブログをちょこちょこと書いています。

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