深海に住むゴカイの仲間7選:チューブワームもゴカイ!

今回は「深海に住むゴカイについて知りたい!」というあなたに、深海のゴカイとその仲間達を紹介します。

ゴカイは「環形動物門」と呼ばれる分類で、同じ環形動物門に属している生き物は深海にもたくさん生息しています。深海の神秘をどんどん感じていただければ嬉しいです!

他にもたくさんの深海魚を特集しているので、興味がある方は他の「まとめ」もぜひ見てみてください。

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目次

深海に住むゴカイの仲間①「オヨギゴカイ」

和名:オヨギゴカイの一種(Tomopteris pacifica
分類:環形動物門サシバゴカイ目オヨギゴカイ科
大きさ:約 20 cm
生息水深: 500〜700 m

まず紹介するのは「オヨギゴカイ」です。

その名の通り、泳ぎ回るゴカイです。

オヨギゴカイには様々な種類がいますが、ここで紹介しているのは日本近海に生息するオヨギゴカイで、和名はありません。

ゴカイと言えば泥の中に潜って生活するのが一般的ですが、オヨギゴカイは浮遊生活を行うプランクトンです。

顎を持っておらず何を食べるかは不明ですが、マリンスノウ(プランクトンなどの死骸)を食べると考えられています。

深海に住むゴカイの仲間②「マリアナイトエラゴカイ」

和名:マリアナイトエラゴカイ
分類:環形動物門フサゴカイ目エラゴカイ科
大きさ:約 3 cm
生息水深:650〜3,700m

続いて紹介するのは「マリアナイトエラゴカイ」です。

熱水噴出孔の近くに生息する、変わった生存戦略を持ったゴカイです。

熱水噴出孔とは、火山の影響で熱水やガスが噴出している場所のことで、普通の生き物にとっては住みづらいです。

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しかし、マリアナイトエラゴカイはそんな場所に生息しながら、小さな細菌や生き物を食べていると考えられています。

普段は巣穴からエラだけ出して、20℃〜80℃という比較的温度の高い場所に生息しています。

深海に住むゴカイの仲間③「メタンアイスワーム」

出典:Wikipedia

和名:メタンアイスワーム
分類:環形動物門サシバゴカイ目オトヒメゴカイ科
大きさ:約 5 cm
生息水深: 540 m

続いて紹介するのは「メタンアイスワーム」です。

メタンハイドレートという、氷にメタンガスが閉じこめられたものの中に、高密度で暮らす生き物です。メタンアイスワームは氷の上だけでなく、氷の中に掘ったトンネルの中でも生きていくことができます。

研究では最大96時間ものあいだ「無酸素状態」で耐えられることも明らかになっています。

メタンを餌として生きる細菌を食べて生活している、と考えられており非常に特殊な生き物だと言えます。

深海に住むゴカイの仲間④「ホネクイハナムシ」

和名:ホネクイハナムシ
分類:環形動物門ケヤリムシ目シボグリヌム科
大きさ:約 1 cm
生息水深: 200〜250 m

続いて紹介するのは「ホネクイハナムシ」です。

名前の通り骨を食べる生き物で、英語では「ゾンビワーム」と呼ばれます。

何の骨を食べるのか?ということですが答えは「クジラの骨」です。海底に落ちたクジラの死骸は、多くの生物にとって大切な栄養資源です。

ここに集まる生き物を「鯨骨生物群集(げいこつせいぶつぐんしゅう)」と言い、その1種がホネクイハナムシです。

彼らはクジラの骨に下半身を埋めて栄養を吸収しています。クジラの骨を見つけるメカニズムはまだ分かっていません。

深海に住むゴカイの仲間⑤「ウロコムシ」

ウロコムシの一種

名前:ウロコムシ
分類:環形動物門サシバゴカイ目ウロコムシ科
大きさ:約 1.5 cm
生息水深:種類によって異なる

続いて紹介するのは「ウロコムシ」です。

名前の通り、背中に鱗を持つ生き物です。

ウロコムシの多くは浅い海で生活しますが、一部のウロコムシは深海の熱水噴出孔の周りで生活しています。

ウロコムシは肉眼でも見える生き物ですが、顕微鏡で顔を見るととてつもなく恐ろしいモンスターのような顔をしています。

生態もあまり分かっておらず、今後の研究が待たれます!

深海に住むゴカイの仲間⑥「サツマハオリムシ」

和名:サツマハオリムシ
分類:環形動物門ケヤリムシ目シボグリヌム科
大きさ:約 1 m
生息水深: 290〜1,430 m

続いて紹介するのは「サツマハオリムシ」です。

鹿児島に生息しているハオリムシ(チューブワーム)の一種です。

サツマハオリムシはハオリムシ類の中では最も浅い場所に住む種類です。

体内に硫化水素を利用する細菌を持っており、彼らが作り出す有機物を食べて生活しています。

水族館でも観ることができる生き物で、鹿児島にある「いおワールド」が有名です!

深海に住むゴカイの仲間⑦「ガラパゴスハオリムシ」

和名:ガラパゴスハオリムシ
分類:環形動物門ケヤリムシ目シボグリヌム科
大きさ:約 3 m
生息水深: 2,000〜2,670 m

最後に紹介するのは「ガラパゴスハオリムシ」です。

英語でジャイアントチューブワームと呼ばれる、非常に大きな種類のチューブワームです。

ガラパゴスハオリムシの大きな特徴は真っ赤なエラ。ヘモグロビンによる赤みがとても目立っています。ただ、ヘモグロビンとは言っても人間が持っているものとは少し違い、硫化水素と酸素を同時に運ぶことができます。

このヘモグロビンで体内の微生物に硫化水素を運び、その微生物が有機物を作り出します。

この有機物だけを食べて彼らは生きています。

様々な深海生物に出会える水族館

深海魚大国かつ水族館大国である日本には「深海魚に出会える水族館」もあります。

ぜひ実際に訪れて、実際に動き回る姿を観て楽しんでみてください。

そして水族館の魅力を感じてください。

この中でも特に深海魚で有名なのは静岡県の「沼津港深海水族館」と愛知県の「竹島水族館」です。迷ったらこちらに行ってみてください。

特に沼津港では深海魚を食べることも出来ます!

深海魚に会える水族館についてはこちらの記事をどうぞ!

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深海魚はまだまだ不思議がいっぱい

今回は「深海に住むゴカイ」というテーマで深海魚を紹介してきました。

ですが、世の中にはまだまだ様々な深海魚がいます。

他のテーマについてもまとめているのでこちらからどうぞ。

もっと深海魚について知りたい方は
本を読むのもオススメ。

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この記事を書いた人

水族館や深海魚・水産に関わることなどが大好きです。
大学院で深海魚に関する研究をしていましたが、2020年に社会人になり
働きながらブログをちょこちょこと書いています。

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